シンボルは英知、静穏、永続の証「フクロウ」。
オーストリア・ビオワインの第一人者。
論理的な思考でテロワールがもつ本来のポテンシャルを生かした
ワイン造りを徹底。自然農法による完璧なワイン造りに尽力。

ヒードラー Hiedler

Austria/オーストリア

Niederösterreich/ニーダーエスターライヒ州
Kamptal/カンプタール
Langenlois/ランゲンロイス

フクロウはランゲンロイスにある伝統あるワイナリー、ヒードラーの象徴です。全ての文化の古代人たちは、フクロウを英知、静穏、永続の証とみなしていました。今日それはヒードラーの信条である自然と科学のバランスとワインと文化の融合を表しています。Österreichische Traditionsweingüter(‎ÖTW)の設立メンバーで、古いブドウ畑の価値ある伝統を重んじています。生み出すワインのスタイルは、熟成能力、繊細さ、深みに特徴づけられます。

オーストリアは、ブルゴーニュと並んで世界で最も「テロワール」概念の発達した地であり、自然環境に配慮した農法に対する関心の非常に高い国です。その中でも1856年より4代続くヒードラーの当主、ルードヴィヒ・ヒードラー程、ワインのキャラクターと質に対するテロワールの重要性と有機農法による土壌に対する生態学的メカニズムを科学的に理解し、論理的な思考でテロワールがもつ本来のポテンシャルを生かしたワイン造りを徹底している造り手は稀有といえます。

ルードヴィヒは「テロワール=土壌タイプ」という単純な図式を嫌います。テロワールとは、土壌の種類のみならず、畑固有の微気候(ミクロクリマ)とそこに植えられたブドウの樹によるダイナミックな関係であると言います。斜面の向きや斜度、日照時間、保水性、灌漑の有無、土の状態と耕され方、熱の放射と保温性、風の強さや防風要素の有無、密植度、 そして植えられたブドウの品種が何であるか。そういった全てに配慮しなければ、テロワールを表現するワインを造ることは不可能なのです。その上でルードヴィッヒはそうしたテロワールの持ち味をワインで表現するための基本として、自然な「土作り」に多大な労力を払います。

まず重要なのが、毎年コンスタントにブドウを実らせるだけの力、即ち養分を自然なカタチで土に与える為の腐葉土の活用です。さらに、土を生態学的に「生きた」状態に保つ為には、マメ科の植物やハーブ、雑草などをひと畝おきに生やすことが有効です。こうしたカヴァークロップには、その根が土をほぐし、物理的に望ましい状態にするという利点もあります。それでも養分が不足する場合には動物の堆肥を用いるのです。次に彼が重視するのは、病害に対するブドウの木自体の抵抗力を増し、感染のリスクを減らすことです。その為、品種毎に最も適正な土壌の状態や肥沃度、植樹間隔をコントロールし、選定や仕立てを行います。健康的なミクロクリマを持った畑は結局他の植物や動物の繁殖も促し、それが土作りにもポジティヴな相互作用を及ぼします。さらに畑環境の生態活動を壊さない為に、化学的な防虫剤、除草剤の類は一切用いず、またボルドー液の使用量も、オーガニックやビオディナミで使用を許される量の10分の1以下です。

こうした有機農法から作られる土壌違いの4つの畑で作られる彼のリースリングは各畑のテロワールの個性の違いを見事にその味わいに反映し、また、同じレスの土壌で作られるグリューナー・ヴェルトリーナーは、摘み取りの時期やブドウの熟度に最も適合する醸造方法を選ぶことで、樽の風味やMLFといった外的力を一切借りることなく、オーストリアを代表する同品種の様々な表情とポテンシャルを引き出すことに成功しています。

現在はスペイン人の妻マリア・アンヘレスと共にワイナリーを運営。息子のルートヴィヒJr.、ディートマーも加わり、さらなる発展を予感させます。

  • グリューナー・ヴェルトリーナー・レス

    銘醸地カンプタールのテロワールを見事に引き出したグリューナー・ヴェルトリーナー。

    Grüner Veltliner Löss グリューナー・ヴェルトリーナー・レス

    使用ブドウ品種:グリューナー・ヴェルトリーナー
    タイプ:白・辛口

    カンプタール南部のブドウが深い根を形成しているミネラルが豊富な石灰質、粘土、石英、雲母等の様々な鉱物組成を含む黄土のブドウ(樹齢5~40年)を使用。手摘みでブドウを厳選して収穫。除梗し、軽く破砕、数時間温度マセラシオンを行う。調節可能なステンレスタンクで発酵。部分的に自然マロラティック発酵。澱と共に4ヶ月間熟成。白い花、リンゴ、洋梨、爽やかなハーブ、スパイシーな白コショウの絶妙なニュアンスのアロマ。爽やかで切れのある酸味。ミラベル、黄リンゴなどの明るいフルーツのキャラクター。クリーンな口当たりを持ち、様々なフードとマッチするバランスの良さがある。繊細な食材を使った和食や刺身、アスパラガスなど緑の野菜やハーブを使った料理と相性が良い。

  • グリューナー・ヴェルトリーナー・リート・キットマンズベルク(1級 エアステ・ラーゲ)

    黄色い果実の品の良い表現、ほのかなハーブのスパイシーさ、滑らかで絹のような質感。

    Grüner Veltliner Ried Kittmannsberg グリューナー・ヴェルトリーナー・リート・キットマンズベルク(1級 エアステ・ラーゲ)

    使用ブドウ品種:グリューナー・ヴェルトリーナー
    タイプ:白・辛口

    キットマンズベルクは標高280~365mに位置し、カンプタールで最も標高が高い畑の一つ。南西向きで斜面がボウル型をしており、その為は豊富な日照量を得られる。樹齢は30~50年。数時間のマセラシオンの後ソフトプレス。伝統的なアカシアの大樽にて澱とともに数ヶ月間熟成。白い花やメロンやイエローアップルのマンゴー、赤ピーマンやはちみつなどの香り。味わいはエレガントで長い余韻がある。

  • グリューナー・ヴェルトリーナー・マキシマム

    古樹の完熟ブドウを厳選して使用。ブドウ品種の持つポテンシャルを最大限に発揮。

    Grüner Veltliner Maximum グリューナー・ヴェルトリーナー・マキシマム

    使用ブドウ品種:グリューナー・ヴェルトリーナー
    タイプ:白・辛口

    樹齢50~85年の古樹の遅積みにより完熟したブドウのみを厳選して使用した限定品。除梗を行いマセラシオンを数時間行う。ソフトプレスの後アカシアの大樽にて発酵、最低2年間澱とともに熟成。オレンジの皮や桜の花の香りにチョークやたばこなどの香りが混じる。味わいはジューシーな果実味とスパイスや塩味を感じるミネラル主体、長い余韻を楽しめる。

  • リースリング・リート・シュタインハウス(1級 エアステ・ラーゲ)

    シャープなミネラル感を特徴とする、際立ってエレガントでフルーティーなスタイルのリースリング。

    Riesling Ried Steinhaus リースリング・リート・シュタインハウス(1級 エアステ・ラーゲ)

    使用ブドウ品種:リースリング
    タイプ:白・辛口

    シュタインハウスは石の家の意味を持ち、その名の通り石の多い土壌。ランゲンロイスでも最も傾斜のある畑でリースリングに最適。標高は230~360m、樹齢は20~45年。除梗を行い数時間のマセラシオンの後ソフトプレス。ステンレスタンクにて熟成。白い花やりんご、洋ナシの香。僅かにハーブのニュアンス。味わいにスモモやイエローアップルの風味があり、溌剌とした酸味が印象的。

  • リースリング・リート・ハイリゲンシュタイン(1級 エアステ・ラーゲ)

    オーストリアで最高のクリュのひとつ。15年以上の熟成にも耐えうる高いポテンシャル。

    Riesling Ried Heiligenstein リースリング・リート・ハイリゲンシュタイン(1級 エアステ・ラーゲ)

    使用ブドウ品種:リースリング
    タイプ:白・辛口

    オーストリアで最も有名で最高のクリュのひとつであるハイリゲンシュタインはヨーロッパで唯一の土壌を持ち、個性の強い非常に複雑なリースリングを生み出す。赤い花崗岩と火山性石英を含む砂岩礫岩が堆積して構成。最長60年樹齢の古樹も混じる。手作業にてブドウを厳選して収穫。除梗し、軽く破砕して数時間マセラシオン。ソフトプレス後、ステンレスタンクで発酵。澱と共に数ヶ月間熟成。サフランとターメリックのニュアンスが混じる熟した柑橘系の果物、パイナップル、マンゴーのリッチで幾層にも重なる複雑なノーズ。高貴でフローラルなノート。大量のエキス分。ジューシーで肉厚。森の香りを伴う黄色い果実の味わい。ミネラル感を伴う上品な余韻。15年以上の熟成にも耐えうる高いポテンシャルを持つ。

  • ヴァイスブルグンダー・マキシマム

    凝縮感とブドウ品種の限界を極限まで押し上げた、濃厚でエレガントなヴァイスブルグンダー。

    Weissburgunder Maximum ヴァイスブルグンダー・マキシマム

    使用ブドウ品種:ヴァイスブルグンダー
    タイプ:白・辛口

    シェンケンビヒルの区画に1955年に植えられたランゲンロイスでも最も高樹齢のヴァイスブルグンダー(=ピノ・ブラン)を使用。この低収量の小粒ブドウが「流行」とはほど遠い時代にヒードラーは他に先駆けて植樹。樹齢はまもなく70年に達する。土壌は黄土に片麻岩や角閃岩が混じる。除梗を行い数時間のマセラシオン。伝統的なアカシア樽とバリックにて発酵後、澱と共に約2年間熟成。ライムやマンダリンなどのピュアな果実味にビスケットやナッツのニュアンスが混じる。濃厚で非常にエレガントな仕上がり。長期熟成のポテンシャルがある。

  • シャルドネ・トースティッド&アンフィルタード

    ヒードラーが生み出した代表的な傑作。

    Chardonnay Toasted & Unfiltered シャルドネ・トースティッド&アンフィルタード

    使用ブドウ品種:シャルドネ
    タイプ:白・辛口

    シャルドネはヒードラーが生み出した代表的な傑作のひとつ。キットマンズベルクとタールの石灰が豊富な粘土、砂、砂利質土壌はシャルドネの生育に最適。樹齢45年以上の古樹から収穫されるシャルドネは良く熟しアロマティック。手作業にて完熟ブドウを厳選して収穫。除梗、ソフトプレス後、数時間マセラシオン。大樽とバリックで発酵。軽くトーストしたバリック(新樽と中古樽)で澱とともに2年間熟成。凝縮した味わいを表現する為、フィルターなしで瓶詰め。熟したマンゴー、アプリコットの魅惑的な香り。温かみのある穏やかな印象。味わいには、黄色い果実、幾つかの赤いベリー、黄桃、白桃のニュアンス。果実味と調和のとれた繊細なスモーキーウッド、ローストアーモンドやモカの風味。クリーミーで緻密。非常にパワフル。上質なミネラル感の混じる後味が印象的。

  • ロゼ

    優雅で軽快。気軽に楽しめるロゼ。

    Rosé ロゼ

    使用ブドウ品種:ツヴァイゲルト、ザンクト・ラウレント主体、他ピノ・ノワール、サンジョヴェーゼ
    タイプ:ロゼ・辛口

    手摘みで収穫。除梗を行い、ソフトプレスの後、数時間のマセラシオン。マセラシオンにより鮮やかなピンクの色合いとフレッシュな果実味がもたらされる。ステンレスタンクにて4か月間熟成。桃の花やストロベリー、ラズベリーなど果実の香りにサンジョヴェーゼから来るスパイスの香りが混じる。味わいはストロベリーや黄桃のフレッシュ感にレス土壌からもたらされるミネラルが混じる。

  • クラウディ・ロゼ

    クリーミーなテクスチャー、ジューシーでエレガント。良好な熟成のポテンシャル。

    Cloudy Rosé クラウディ・ロゼ

    使用ブドウ品種:ツヴァイゲルト、ザンクト・ラウレント主体、他ピノ・ノワール、サンジョヴェーゼ
    タイプ:ロゼ・辛口

    手摘みでブドウを厳選して収穫。ブドウを軽く破砕し、数時間マセラシオンした後、高圧プレスによりタンニンを抽出。サンジョヴェーゼで使用したバリックで発酵。自然発生的なマロラクティック発酵。澱と共に数ヶ月間熟成。フィルターをかけず澱と共に瓶詰め。ストロベリーアイスクリームやブラッドオレンジ。ココナッツやスモーキーな香り。口当たりはクランベリーなどの果実味を強く感じ、非常にエレガント。わずかにタンニンが残る。

  • ピノ・ノワール・ランゲンロイザー

    冷涼な気候のもとで造られたアロマティックで洗練された個性を奏でるピノ。

    Pinot Noir Langenloiser ピノ・ノワール・ランゲンロイザー

    使用ブドウ品種:ピノ・ノワール
    タイプ:赤・ミディアムボディ

    冷涼なミクロクリマを持つ石灰質の黄土と変成岩の赤土で構成されたタールとケーファーベルクのブドウ(樹齢35年)を使用。手摘みでブドウを厳選して収穫。除梗し、開放式発酵槽で2週間スキンコンタクトしながら発酵。ソフトプレスし、使用済みのバリックでで最終発酵。自然なマロラクティック発酵を経て大樽で数ヶ月間熟成。フィルターをかけずに瓶詰。背後にジュニパーベリーの風味がある活き活きとした赤いベリーフルーツとブラックベリーのアロマ。いくつかのハーブ、なめらかで緻密なタンニンを伴う引き締まったストラクチャー。ピュアな酸味、ミネラル感のある気品溢れるエレガントなスタイル。熟成のポテンシャルもある。余韻は長め。甘酸っぱいソースの肉料理、キノコのグラタン、牛肉の煮込みと抜群の相性を見せる。主に熟成したブリーのようなチーズとも完璧に寄り添う。

  • ピノ・ノワール・G(ゲー)-シュテュク

    優雅で緻密な果実味。色鮮やかなフクロウラベルを纏った人気の希少なピノ。

    Pinot Noir G-Stück ピノ・ノワール・G(ゲー)-シュテュク

    使用ブドウ品種:ピノ・ノワール
    タイプ:赤・フルボディ

    南チロルのアーティスト、ユリアン・オーバーホーファーの描いた色鮮やかなラベルを纏った非常に人気のある希少なピノ。白亜の石灰が豊富な砂質、結晶岩土壌からなる名高いタールとケーファーベルクの健全に熟したブドウを使用。9月末に手摘みでブドウを厳選して収穫。Gは「ガンツ(全体)」の略で全房のまま伝統的な醸造を行う。極小の開放式発酵槽で発酵。2週間後ソフトプレス。使用済みのバリックで最終発酵。自然発生的なマロラクティック発酵後、澱と共に2年間熟成。2023年4月にフィルターをかけずに瓶詰め。深みのあるハーブ、スパイスの効いたクランベリー、わずかにラズベリー、ローズヒップの広がりのあるアロマ。ローストアーモンドとコーネルチェリーのニュアンスが混じり、わずかにスモーキー。伸びやかな酸味と優雅で緻密な果実味。素晴らしいグリップと長いフィニッシュがある。15年以上の熟成ポテンシャルがある。

生産者WEBサイト

ヒードラー Hiedler
https://hiedler.at/

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大榮産業 酒類部

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