【FRANCE-BORDEAUX】ヴィニョーブル・クレマンソー【190724】

France／フランス

Bordeaux／ボルドー
Juillac／ジュイヤック

クレマンソーが所有するブドウ畑は、ドルドーニュ川左岸、カスティヨン付近のジュイヤックの標高100mの斜面に位置しています（他に1988年に現当主の祖父母が購入したサンテミリオンの9haの敷地を所有）。ここには主に粘土石灰岩で構成される並外れたテロワールがあり、生産されるエネルギッシュなワインの源となっています。伝統的なブドウ品種であるメルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、マルベック、プティ・ヴェルドの他、畑の特性をさらに表現できる可能性のあるシラー、グルナッシュ、トゥリガ・ナショナルも植えられています。

畑の総表面積は60haですが、ワインを生産するのはそのうち10haにすぎません。テロワールを表現する個性的なワインを生産するために最適な区画が選択され、細心の注意を払って作業が行われています。さらに収量を厳しく制限することでもワインの品質の向上を目指しています。またフランス政府のHVEのレベル3認証を受け、環境に配慮しながらワイン造りを行っています。ブドウ畑の真ん中にあえて生け垣を設置することで、生物多様性の最適化を図っています。

現当主は3代目ギョーム・クレマンソー（Guillaume Clémenceau）。創意に富み、少し風変わりだと自らを語る彼は、土地への愛着、先代への感謝を持ちながらも、従来のボルドーのブドウ畑で採用されていたものとは限らないアイデアや技術に没頭。エネルギッシュなワインを好み、自身の個人的な選択に焦点を当てて仕事をすることに専念しています。ワインのバックラベルには各々のワインを通したワイン愛好家に対する思いが本人の署名と共に記されています。

【盗まれた瞬間】クセが無く「淡麗」。鮮やかなブルーボトルに詰められたソーヴィニヨン。

Instant Volé アンスタン・ヴォレ（ボルドー・ブラン）

使用ブドウ品種：ソーヴィニヨン・ブラン100％
タイプ：白・辛口

年間3,500本の限定生産。まさに「淡麗」。幅広い料理と合わせやすい。区画は標高100m～110mの砂利を含んだローム質粘土。ステンレスタンクにて17℃の低温マセラシオン、発酵。ステンレスタンクにてシュル・リーの状態で熟成。ハーブの混じる瑞々しく溌剌としたアロマと爽やかな酸。ピュアな果実味。クセが無く万人受けする。バックラベルには多忙で制約の多い人生の中、このワインを抜栓し、時間を止めて「盗まれたこの瞬間」を楽しんでくれることを願う生産者の思いが綴られている。
【黒い手】重厚でまろやかなプティ・ヴェルド。

Les Mains Noires レ・マン・ノワール（ボルドー・シューペリュール）

使用ブドウ品種：プティ・ヴェルド100％
タイプ：赤・フルボディ

色が濃く、豊富なタンニン、しっかりとしたストラクチャーをワインに与える反面、短梢剪定と厳しい芽かきが必須の上、完熟するのが遅い晩熟型だった為、ブレンド品種として長らく使用されてきたプティ・ヴェルドが、気候変動が叫ばれ、栽培技術も改革された現在、ボルドーでも高い注目を集めている。優れたテロワールと栽培技術を持つクレマンソーでもブレンドの補助品種として使うだけではもったいと考え、プティ・ヴェルド単体のワインの生産を開始。約2haのみの畑はオーク林に囲まれたジュイヤックの標高110mの高台に位置する。土壌は赤い粘土石灰岩。低温で発酵前マセラシオン。発酵はコンクリートタンクにて。フレンチオーク樽で熟成。色合いは典型な濃い黒紫。ブラックチェリー、カシス、プラム、チョコレートの様な香り。スミレのようなエレガントなニュアンスも僅かに感じられる。黒いスパイスが感じられ、なめらかなアタック。ふっくらとしており、ボリューム感もある。ストラクチャーがしっかりとして、丸いが豊かなタンニンが徐々に現れる。