ヴィシュニア・サンセール・ロゼ Vishnia Sancerre Rosé

サンセールを代表する偉大な生産者､「ジットン」はマルセルとユゲットのジットン夫妻によって1945年、0.5haのブドウ園からスタート。テロワールの最高の区画を所有し、独占的に生産、熟成されたワインは、40年以上にわたって世界30か国以上で販売されてきた。ロルム・オー・ルーの丘を中心にサンセールに27ha、プイィ・フュメに5ha、コトー・デュ・ジェノワに2.5ha、トータル33ha以上の様々な特徴を持ったブドウ畑を所有している。1960年代に入り、マルセルは当時新たに手に入れたシレックス土壌とオーリヴィアン（石灰質）土壌のブドウ畑のブドウ果汁のテイストの違いに衝撃を受け、1962年より、それぞれの土壌の個性を活かした区画ごとの醸造をサンセールで初めて実行に移した。

現在はマルセルの息子パスカルが妻のドゥニーズと共に、娘のシャネルの助けも借りてドメーヌを運営。1981年にマルセルからドメーヌを譲り受けたパスカルは、テロワールごとの個性をよりクリアに表現するため、大樽での醸造が一般的であった当時にドゥミ・ミュイ（demi-muids）と呼ばれる600Lの樽を導入。また必要と思われる時には、接ぎ木、樹齢の別も分けて仕込んでいる。さらに仕込みによっては使用年数、素材の違いで樽を使い分けている。土壌の多様性に注目し、それをワインに個性として反映させることを徹底しているのである。

畑仕事にはビオロジックを採用。化学肥料と殺虫剤は一切使用していない。また収量は抑えられており、選果レベルも非常に厳しく行っている。培養酵母を使うことはワインを均一化することに繋がるという考えから、酵母も酵素も添加せず、発酵温度もコントロールしていない。

また、ジットンの生み出すワインは、長期熟成のポテンシャルを持ち合わせており、1980年以降の見事に熟成した個性的なバックヴィンテージを数多く所蔵。リリースされるたびに世界中のワインファンを魅了し続けている。フランス国内においても、ミシュラン三つ星の錚々たるレストランにオンリストされており、ヴァレリー・ジスカール・デスタン、ミッテラン、シラクなどの元大統領らを顧客に持ち、欧米の政治家に愛されてきたことでも有名である。 ジットンはテロワールの個性が見事に反映されたロワールの真のグラン・ヴァンを長きに亘り生み出し続けているのだ。